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赤字旅館は全体の38%に 国観連調べ

 国際観光旅館連盟(佐藤義正会長、1306会員)はこのほど、会員旅館の06年度決算書などを対象にした営業状況等統計調査の結果をまとめた。経常損益で赤字を計上した旅館の全体に占める割合は、前年度から1.5ポイント低下したものの、依然として高く、38.4%に上った。客1人当たりの売上高や定員稼働率がこれまでの減少傾向から若干の上昇に転じるなど回復の兆しもみられるが、借入金の負担などを背景に、旅館の経営環境は総じて厳しい状態が続いている。

 今回の調査に対する回答旅館は229軒。内訳は大規模施設(100室以上)が73軒、中規模施設(31室以上99室以下)が124軒、小規模施設(30室以下)が32軒。平均規模は、客室数87、収容396人。年間の総売上高は平均11億730万円、宿泊人数は5万8209人だった。

 経常損益が赤字だった旅館の規模別に占める割合は、大規模28.8%、中規模42.7%、小規模43.7%。1軒当たりの平均でみると、経常損益は1937万円の黒字だが、特別損益を加えた税引き前損益は429万円の赤字となる。

 重要な経営指標の1つで、資産の減価償却費や借入金の支払利息を計上する前の運営利益を示す償却前営業利益率(GOP)は、0.2ポイント増の平均9.8%。大規模は0.5ポイント増の10.2%、小規模は0.6ポイント増の9.0%とわずかに伸びたが、中規模は0.4ポイント減の9.3%にダウンした。

 GOPは、運営責任を明確にできる数値として、国観連でも数値の引き上げを重視している。過去の調査で最も高かった90年度は、大規模15.4%、中規模12.8%、小規模10.2%だった。

 総資本に対する長短期借入金の比率を示す借入金依存度は、平均76.5%と7.1ポイント低下したが、引き続き高い水準にある。自己資本比率も平均5.9%にとどまる。ただ、今回調査では中規模旅館の自己資本比率が、前年度まで続いていた債務超過の状態からプラスに転じた。

 借入金を償却前利益で完済するのにかかる年数を表す資金回収年数は、平均16.9年で1.8年短縮された。売上高に占める支払利息の割合は、平均3.2%で前年度と変わらなかった。

 宿泊客1人当たりの売上高をみると、平均1万8944円で1.5%増加した。規模別では大規模1万9459円(5.4%増)、中規模1万6917円(8.7%減)、小規模2万7634円(22.2%増)。

 定員稼働率は、2.9ポイント増の平均41.6%で、41%台に乗ったのは6年ぶり。大規模は2.0ポイント増の43.0%、中規模は4.2ポイント増の40.5%、小規模は0.1ポイント増の30.7%だった。

 調査報告書は「単価や稼働率が前年度までの減少傾向から上昇し、経営の合理化や効率化により収益面でも若干の明るさはみられるが、自己資本比率が依然として低く、借入金に頼る状態。支払い利息も収益面に大きな影響を与えている」と分析したほか、「スモールラグジュアリー(小規模高級旅館)を中心とする人気施設と、稼働率が上がらない施設との格差が広がっている」と指摘している。
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